<不当解雇>
最後の1人は、50代前半の女性職員で残業・休日出勤手当は前回の対策が功を奏し、諦めましたが、解雇を要求し、解雇にすると、不当解雇だと言って労働組合を連れてきて、また団体交渉になりました。
この職員は仕事にこだわりが強く時間をかけすぎるのでいつも残業続きで体を心配していました。強情な性格でお節介やきなので、すぐにひとの間に入って余計揉めさせるようなところがありました。
特に労働者の権利については敏感で、ちょっとでも職員に不利なことがあると労働者代表のようになり、よく私に噛みついてきました。
顧問先ともよく問題を起こし、担当替えを3回くらいした覚えがあります。決定的になったのは、顧問先の社長をさんざん怒らせてしまった事です。自分が正しいの一点張りなので、社長も許してくれなかったのです。
私が代わりに社長に謝ってとりもちましたが、この人は全て自分が正しいという考えの持ち主でした。
私もとうとう堪忍袋の緒が切れて解雇を口にしたのです。そうしたら、文書で「解雇通知書」を出してくれとなり、出したところ団体交渉となり決裂しました。
この後、労働審判、本裁判と続きますが、皆さん本裁判までいって判決で負けたときどういう損害が発生すると思いますか?なんと係争中の期間の給料を支払う羽目になる(仕事もしていないのに) ちなみに結審まで2年近くかかるそうです。そこで辞めさせるためには和解金を支払わなくてはいけません。
弁護士費用を合わせると1500万円くらいにはなりそうです。幸いこの人のケースは私が優秀な弁護士を頼んで作戦が功を奏し、労働審判で和解し、全部で300万円くらいで済みました。
ここで得た教訓は次の4点です。
① 解雇は言わない、書かないこと (辛抱)
② 自分から辞める方向へ持っていくこと (忍耐)
③ 就業規則通り、始末書・減給・自宅待機と解雇の理由を積み上げていくこと
④ どうしようもないときは優秀な弁護士に依頼すること (紹介します)
解雇予告手当1か月分を支払えば簡単にクビに出来ると考えていませんか?
本人が納得すればOKですが、揉めると大変なことになります。
労働問題についても、皆様に先立ち、まずは私が最も大変?なものを経験済みでしょう。
いつも私が実験台です。
転ばぬ先の杖です。参考にして下さい。
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