<税金の滞納を解決しました>
建設職人のAさんは昨年10月に税務調査になり、12月に追徴税額が所得税、住民税、加算税、延滞税合計で約300万円になりました。今年の確定申告の前に相談にお見えになり、税務署と市役所に相談して、毎月20万円くらい分納しているとのことでした。
Aさんの悩みは今回の確定申告をどうするか?いくらの税金でこれを納めることができるか?でした。
現在の分納税金を納税することがやっとの状態で、これに加えて今年の税金が追加になるのが辛いのです。
幸い?Aさんは8年くらい前までは法人で申告をしていました。この法人は有限会社で登記上、まだ生きていました。売上の減少で借金の返済ができなくなり、休業状態が続いていたところ、個人の通帳に売上の入金があり、これを無申告できてしまったのです。
私が提案したのは、本来会社で仕事をやってきたのだから、会社で申告すればよいということです。そうすれば、給料をとることができ、利益を圧縮し、納める税金を圧縮できるのです。そうこうしているうちに、税務署の徴収の担当者が国税局に変更になるとのこと、急きょ会いたいと言ってきました。Aさんがやむを得ず、会ってみると、3日以内に滞納税金を延滞税も含めて、全て1円も残さず支払わないと売掛金を差し押さえると言われたのです。私が事情をAさんから聞いてみると、毎月10万円以上の支払いをしており、滞納残高は200万円くらいで、すぐに差し押さえするような状況ではないと感じました。
売掛金の差し押さえをされるということは売上先に税務署が行くわけですから、信用はガタオチになります。つまり、死刑宣告のようなものです。
私は税務署に電話をかけて抗議をしましたが、税務代理権限証書がないと答えられないの一点張りで、Aさんから税務代理権限証書をもらい、税務署へ提出しました。
早速、徴収部門の統括官から連絡があり、事情を聴きました。結局はAさんが国税局の職員に言った言葉が問題になったようです。それはAさんは5人くらいの職人の親方で売上先から自分も入れて6人分の売上入金があります。税務署に6人分の1カ月分を差し押さえされると5人の職人さんへの支払ができなくなり、全員が路頭に迷うことになるのでAさんがせめて自分だけの責任にして欲しいと思い、徴収官に「売上入金を各職人別に分けてもらえば自分の分の差し押さえだけで済むのか?」と聞いたことが、徴収官からみれば、この人は差し押さえを回避しようとしている。すぐに差し押さえを実行しないと売掛金が雲散霧消のようになってしまうと考えたのでしょう。朴とつな職人であるAさんにとってはただ相談したつもりだったのでしょうが災いとなりました。
Aさんの申告をまとめてみると5人の職人を使ってこそ、滞納税金も支払えるし、生活もできることが判明したので、差し押さえされてもダメ、5人バラバラにしても、将来がない為、私は一計を案じました。統括官と話して、200万円近くを私がAさんの税金を一旦、立替払いをすることです。(人がいいと思いますが...性格上、放っておけないのです。)
Aさんに伝えたところ、悪がっていましたが、自分もなけなしの金を50万円出すというので残りを私が立て替えることになり税務署と話をつけました。税務署では3人と会い、国税局の徴収官とも会いました。きつい目つきでしたが、私が立て替えることを公言すると少し表情が緩みました
税務署側は大歓迎ですから、私も相当信用があるようです。紙1枚発行せず、今週中に支払うというだけで差押えは中止になりました。
Aさんからはけじめとして借用証と印鑑証明書をもらい、これからきちんとと納税をして、新しく発生する税金を支払い、私へも返済して頂くという道筋がつきました。
Aさんの前向きな奮闘はこれからも続きます。
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